ドローンの活用分野は撮影だけではありません
ドローンは空を飛ぶ無人航空機が撮影をするのイメージが強いかと思いますが、実際はそれ以外にも様々なドローンが活躍しています。例えば次のようなものです。
農薬散布用ドローン 建築現場や農業で活躍する産業用ドローン 速度重視の飛行機型ドローン 船の傷を調べたり、深深度の調査をする水中ドローン |
世界各地でそれぞれの用途の活躍しています。
2022年12月の法改正により目視外飛行を行えるようになるため、荷物の配送がドローンによって行われるといったことも現実味を帯びてきました。
この記事を記載している2022年から2025年の間には、ドローンに関係する分野が約8%以上も伸びるという試算もあり、今後注目を浴びている分野です。それが子どもたちが今行っている学習活動と密接に関わっていることを伝えるためにも、ぜひドローン教育は導入していきたい内容の1つです。
ドローンだけで学校に導入するのは困難があるので、例えば創立記念撮影や入学式・卒業式の動画制作と共に行ったりすることで、より効果的に取り組むことができます。また、プログラミング教育と合わせて、その先にドローンが入ってくるという形で伝える授業形態も考えられます。
今回の記事ではそうした実際の授業実践例について紹介していきます。
プログラミング教育の考え方とドローン
実際にドローン教室を行うと、小学校低学年でもかなり正確にドローンの操作を行うことができます。初めて扱う児童でも離陸させ、ある程度は思い通りに動かし、狙ったところに着陸させることが可能です。
これは何故かというと、彼らが日常生活の中でプログラミング教育をしているからです。もっと具体的に言うと「ゲーム」です。ドローンとゲームのコントローラーはほぼ同一です。彼らが初めてコントローラーを見た時には、例外なく「同じ(コントローラー)のが家にもある」と言う話をします。
指先で画面上のキャラクターを動かすことも立派なプログラミングです。そうした操作に慣れているので、ドローンの操作も行うことができます。
現在は100g以上のドローンを自由自在に外で飛ばすことはできませんが、現在市販されているトイドローンと呼ばれるそれ以下の重さのものは、大人以上に上手に動かすことができます。
学校では「ゲームのやり過ぎはよくない」と指導をすることが多いですが、適切な量で指導をしたり、その先にある目的を正確に伝えることにより、ゲームは効果的になるのではないかと考えられます。
scratchとの親和性
ただし、学校で好きなゲームを好きなようにさせるのには不可能です。そこで教育用のプログラミングソフトであるscratchなどを活用していいきます。低学年であればscratch Jrもあります。前歩く。何歩歩く。声を出す。くるっと回る。選択をする。様々な組み合わせを行うことにより、自分の考えたプログラムを画面上で動かすことができます。
あらかじめ指定したプログラムを、自分の好きなタイミングで動かすことができるのがスクラッチ。今考えたプログラムを、今動かすことができるのはドローン。
このように考えると、scratchを練習した上で、ドローンの操作を学ぶことは、リアルなプログラミング教育につながっていくと考えられます。
人数分のドローンを用意することはできません。児童生徒が全員分無料で活用することができるscratchを「これから様々な場面で使われるプログラムの考え方を勉強するためのツールです」と説明することができ、その具体例としてドローンを挙げることができれば、彼らの意欲も高まるのではないでしょうか。
プログラミング教育の本質的な考え方は、論理的な思考力を育成することです。上記のような説明をしながら、実際に学習をさせていくことによって、この目標は達成されていきます。
ホンモノに触れさせる時間の確保
scratchはよいことづくめのようですが、実際はそうではありません。大きな課題があります。現実世界では役立たないことが多いのです。素晴らしいプログラムを作ったとしても、それはあくまでリアルではありません。褒められることはあっても、日常生活の中で使われることは無いのです。
そういった意味ではドローンは即使えるものになります。具体的な学習ツールとしてはscratchを、その先にドローンがある。このような形で教えることができると、学校教育の中でのドローンの役割というのは大きくなります。
空の上を当たり前にドローンが飛ぶ世界まであとわずかです。そうなってから『学校だけが遅れている』といった状態にならないように、子どもたちが触れる機会を確保していただけたらと思います。
弊社のドローン教育では、その成り立ちや今後の発展性はもちろん、実際にどのように飛ぶのかを児童生徒に見てもらうことが可能です。プロペラの音やそこから起きる風の強さを実際に肌で感じ、どのようなスピードで動くのかを自分自身の目で見ることの大切さを学び、彼らのこれからに役立てていただけたらと思います。
また、元附属学校教員もおりますので、新たな授業プランのご提案も可能です。「こんなことを試してみたいのだが」という相談をいただければ可能な限り対応いたします。